金融制度

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 明治初期より展開された近代化過程において、政府の活発な財政・金融活動が大きな役割を果たした。その過程において、重要な契機となったのは、1880年の横浜正金銀行の設立、1882年の日本銀行の設立、1897年の金本位制の確立であろう。

 横浜正金銀行の設立により、輸出入の外国為替取引を日本人の手により行うことが可能となった。また、政府は、中央銀行として日本銀行を設立後、紙幣整理を断行し金融制度の基盤を整えた。さらに1897年の金本位制導入により、在外正貨の保有が高まり、為替決済や外債募集に資することができただけでなく、金融制度の安定ももたらすことができた。

 本研究会は、この他にも様々な金融制度を取り上げている。

 国内の一般の人びとを念頭においた金融制度としては、郵便貯金制度が重要である。人びとの零細な貯蓄を預かる郵便貯金は、政府の財政投融資の原資となったが、この制度は日本銀行設立より古く1874年に始まっている。

 困窮した庶民への金融機関として質屋がある。高利を取る私営質屋に対抗して公営質屋の導入が試みられたが根付かなかった。庶民が僅かな金を相互融通する無尽という伝統的金融制度を基盤とする無尽会社もあった。

 植民地における金融制度としては、朝鮮における農家を対象とした金融組合が取り上げられており、その成立と活動の分析が試みられた。